赤ワインブドウ一覧

今回は赤ワインのブドウについてまとめてみました。

 

初めに赤ワインに使う黒ブドウがどのような成分が含まれ、収穫のタイミングについて簡単に説明します。

 

赤ワインには基本的に果皮が濃い紫色をした黒ブドウを使用します。赤ワインのの最大の特徴である色と渋味は、ブドウの果皮にあるアントシアニンや、種子のタンニンなどです。

 

これらの成分の含有量はブドウ品種産地収穫年数成熟度合いなどによって異なります。

色素や渋み成分であるポリフェノール類はブドウ果実が成熟するにつれて含有量が増えますが、気温が低い場合や逆に高すぎる場合は、果実中でポリフェノール類の生成がブロックされてしまいます。また、ポリフェノール類が溶解されやすい状態でもあるので注意が必要です。

 

黒ブドウの収穫のタイミングは、糖や酸の量のほかにポリフェノール類の量と溶解のされやすさを分析して決定されますが、最終的には試食をして人の舌で判断をします。

 

 

さて、軽い説明はここまでにして本題に入ります。

 

ワインを選ぶ際にはブドウの品種を見る人が多いと思います。なのでそのブドウの各品種について簡単に説明していきます。

 

目次

 

 

1.カベルネ・ソーヴィニョン

 

「黒ブドウの王」とも呼ばれている最も有名な赤ワイン用品種で、ボルドーやチリなどの世界中で栽培され、房は小ぶりで粒も小さく、果皮は青黒く分厚いのが特徴的です。水はけのよい土壌と温暖な気候を好み、完熟すると素晴らしい芳香と力強い味わいのワインが生まれます。

若いワインにはカシスやベリーなどの果実味の強い香りがあり、しっかりとした酸や渋味を感じられます。熟成させると葉巻や皮革、甘草などの香りが現れ、渋味が和らぐとともに旨味が増します。

 

2.ピノ・ノワール

 

主にブルゴーニュが生産の中心となっており、南北アメリカニュージーランドなどでも栽培されています。比較的冷涼で乾燥している気候が好まれる。果皮が薄いため色調はやや淡く、渋味は少ない。産地によっては香りの質が異なるが、一般的にはイチゴやベリーのような果実の風味やバラの香りがあり、熟成するとキノコや紅茶などの香りが現れます。

 

3.メルロー

 

ボルドーサンテミリオン地区をはじめ、世界中で広く栽培されているブドウの品種で、保水性のある粘土質土壌を好む。ラズベリーちぇりーなどの香りがあり、カベルネ・ソーヴィニョンに比べて酸や渋味は穏やかで、熟成させるとトリュフや土、プルーんのような香りが現れるようになり、まろやかでふくよかな味わいになる。

 

4.シラー

 

温暖で乾燥したローヌ地方を中心に、オーストラリアや南アフリカではシラーズの名称で栽培されています。果皮に含まれる色素が多いためワインの色調は濃く、渋味も比較的に多い。カシスのような香りとスパイシーな風味を持ち、熟成させるとムスクや土の香りが加わり複雑でエレガントな味わいになります。

 

5.カベルネ・フラン

 

カベルネ・ソーヴィニョンの親に相当する品種で、主にロワールやボルドーで栽培され、メルローブレンドされることもある。スミレやチェリーの香りがあり、渋味はあるが強すぎないので繊細な味わいです。未熟な場合や冷涼な地域ではピーマンのような香りがし、熟成させるとムスクや葉巻のような香りが出てきます。

 

6.グルナッシュ・ノワール

 

スペイン原産で南フランスやローヌ地方でも栽培されています。スペインではガルナッチャと呼ばれています。ブラックチェリーや完熟チェリーの果実味に甘草のスパイシーな風味があり、渋味と酸味はあまり強くなく、熟成させるとアプリコットや狩猟肉の香りが現れます。

 

7.ネッビオーロ

 

イタリアの代表品種で、アルカリ性土壌で寒暖の差が激しいピエモンテ州以外では栽培が難しい。しっかりとした渋みとこくがあり、ブラックチェリーのような果実味の香りやフローラルな香りがする。長期熟成により旨味が増し、トリュフや土などの香りが現れます。

 

8.ガメイ

 

ブルゴーニュ地方南部やロワール地方で主に栽培され、ボジョレーをつくるブドウ品種として有名で、フレッシュなイチゴのような果実味とスミレやバラの花の香りが感じられます。渋味は少なく軽やかな味わいで、比較的若いうちに飲まれることが多い。

 

9.テンプラニーリョ

 

スペインの代表的な品種で、やや冷涼な気候が好まれるので、標高の高いリオハ地区で栽培が成功している。酸味は穏やかだが渋味はしっかりとあり、ベリーの果実味や皮革の香りを持つ。取る香との相性がよく、樽熟成させると甘味のあるスパイシーな風味が出てくる。

 

10.サンジョヴェーゼ

 

イタリアのトスカーナ地方をはじめ、カリフォルニア州でも栽培されている。イチゴやプラム、スミレの花の香りがあり、酸は高めで渋味は中くらい。若いうちは明るい味わいだが、熟成させるとエレガントなものになる。

 

11.プティ・ヴェルド

 

おもにボルドーメドック地区で栽培され、メルローカベルネなどとブレンドされる補助品種として使われることが多い。完熟するのは数年に1度と言われており、ブラックチェリーのような香りを持ち、完熟させるとマンゴーの風味が出てきます。

 

12.ジンファンデル

 

カリフォルニアを代表とする品種で、イタリアではプリミティーヴォと呼ばれています。赤ワインはもちろんのことホワイト・ジンファンデルという名でロゼワインもつくられています。渋味は少なく梅やクランベリーのような軽やかな風味とスパイス香を持ちます。

 

13.マルベック

 

フランス南西部やボルドー、アルゼンチンなどで栽培されています。タンニンが非常に豊富なため、黒ワインと表現されるほど色調が濃いワインを生み出します。プラムやカシスのような果実味やアニスのようなスパイシーさを持ち、渋味が強くリッチで厚みのある味わいです。

 

14.ピノ・タージュ

 

ピノ・ノワールとサンソーを交配した南アフリカの固有種であり、ボジョレーのような軽やかな味わいのワインから、ローヌ地方のようなリッチな味のワインまで幅広いタイプのワインを作り出せます。コーヒーやチョコレート、あるいは土やスパイスのような力強い風味を持ちます。

 

15.ムールヴェードル

 

スペイン原産の品種で、南フランスやオーストラリアなどでも栽培されています。ブルーベリーの風味やシナモン、クローヴ、甘草などのスパイシーな香りを持ち、アルコール分が高く程よく渋味があります。

 

16.バルベーラ

 

おもに北イタリアやカリフォルニアで栽培されているイタリア原産の品種です。色調は濃く、比較的に暑い場所で育った場合でもしっかりとした酸味が残ります。完熟したカシスやブラックベリーの果実味があり、樽熟成させるとバニラの風味やスモーキーな香りが加わります。

 

 

以上16種類の品種を紹介しましたが、このほかにもマイナーな品種は存在します。これらのブドウの特徴を知っているだけでワインを飲む際の楽しみが倍増します!

 

ぜひ参考にしてみてください。